えぬぴぃOh!vol.79(2021年冬号)_web版

★えぬぴぃOh!vol.79(2021年冬号)のサムネイル

認定NPO法人高知こどもの図書館の挑戦 ~クラウドファンディングでWebサイトリニューアル~

 22年前に全国初のNPOが運営するこどもの本専門図書館として開館した高知こどもの図書館(以下「こどもの図書館」)は、こどもの読書環境を整えることが大事だと考えた市民の活動を、高知県がサポートして設立された民間の図書館です。
 こどもの図書館は、2020年に高知城公園内の県立公文書館(旧県立図書館)の建物に移転しサービスを再開しましたが、様々な課題を抱え、この度クラウドファンディングで新たな取り組みに挑戦しています。

移転とコロナでピンチ

 こどもの図書館は、現在地への移転により、利用者から「お城の中の自然が気持ちよく、景色と散策を楽しんだ先の休憩スポットとして活用できる」「親子で来館した際に、バリアフリートイレが近く、ゆったりと過ごしやすい」「周りに道路がないので、車の事故の心配が少なく遊ぶことができる」などの高評価を得るとともに、運営側としても「耐震基準を満たした建物で利用者に安心して来館してもらえる」「まんがBASEが隣にあり、他団体との連携、協働がとりやすい」「グランドフロアで施設が完結しているので、資料の搬出などがしやすい」などのメリットがあります。

 一方、「無料駐車場がなく、無料駐車場が開放される土日祝以外は来館しづらい」「新型コロナウィルス感染(以下「コロナ」)拡大により公共図書館が休館となった際に、移転後再オープンのお知らせや広報を大々的にできなかったため、移転が広く周知されていない」などにより、昨年度の来館者は2018年度対比(2019年度は移転準備の休館があったため比較できず)で75%減となっています。また、今後、コロナ拡大となった際に、こどもの本を手渡す場として来館ありきのサービスのみでは、利用者のニーズに十分に応えられないため、非来館者の窓口を整備する必要があることも課題として浮かび上がってきました。

行けなくても訪ねられる図書館を目指す

 こどもの図書館では、本の楽しさを体験できるイベントや、感動を広げる図書館行事を続けてきましたが、急速な情報化の時代の中で、発信する手段の工夫に力が足りないことが悩みでもあり喫緊の課題でした。

 そんな時、2019年総務省地域情報化アドバイザーの岡本まことさんから助言をいただき、図書館の機能性、発信力をどのように高めていけばよいのか等、新しい図書館づくりに向けた模索が始まりました。機能性向上のための資料のデジタル化も紹介してもらい、ホームページにOPAC(蔵書検索システム)を公開することができました。折しも、コロナにより図書館を取り巻く情勢は大きく変わり、対面で本を手渡すことを強みと信じてきたこどもの図書館は、「この状況の中で自分たちは何ができるのか」と悩み、この課題は高知県が抱えている中山間地域のこどもの読書環境の問題にも重なることに気づきました。

 そこで今、こどもの図書館は「行けなくても訪ねられる図書館!」を目指し、専門家の力を借りながら、本の世界を身近に感じられる魅力的なホームページのリニューアル計画を進めています。

応援お願いします

 現在その資金調達のために、READY FORをプラットフォームに寄付金控除型のクラウドファンディングに挑戦しています。詳細は下記ホームページまで。応援よろしくお願いいたします!

(森岡)

【期限】2021年12月11日
   23時59分まで
【目標金額】250万円

https://readyfor.jp/projects/kochichildrenslibrary

問い合わせ先

〒780-0850 高知市丸ノ内1丁目1-10
高知県立公文書館内
認定NPO法人高知こどもの図書館
TEL:088-820-8250 FAX:088-820-8251
MAIL:kochi@kodomonotosyokan.org
HP:https://kodomonotosyokan.org
Facebook:Npo法人高知こどもの図書館で検索

アート×イートで!未来子育て環境を整えよう ~みんなげんき・みんなえがおの高知市に~

【寄稿】FFC高知(フーズフォーチルドレン高知)支部長 土居 樹林きりん

 子どもたちの食を守るオーガニック給食の実現を入り口に、農業、地球環境への意識を広げていく活動をされている、FFC高知さんの活動について寄稿いただきました。(北川)

子どもにはっきり現れている症状

 今、コロナ禍で1番大切な乳幼児期のコミュニケーションがマスクによって閉ざされ、言葉の遅れ、呼吸困難の問題等が発生しています。また、全国的に環境汚染、農薬、化学肥料、添加物などの影響も深刻です。手軽なインスタント食品やコンビニ弁当などで、ミネラル不足の食事に偏り、栄養不足が原因の症状を含め、発達障がいと呼ばれる子どもたちが25年間で約11倍に増加しています。

 子どもたちが悩まされている症状は、ミネラルの補給と戸外運動や十分な運動をすることと、自然体験、愛情あふれる関わりにより、体の細胞は4ヶ月で入れ替わり個性を充分発揮できるまで改善することが実証されています。

表現しよう、つながろう

 ZOOMやLINEなども使い、孤独な親子にも食と遊びの大切さと、楽しくおいしい体験の提供(イート)と、体験経験を表現する機会(アート)に、コミュニケーションを図り仲間作りをしていきます。ほんの一坪、プランターでもミネラルたっぷりの元氣野菜を育て、乳幼児期から自給自足の意識と美味しく食べて健康になる実感を増やすことが一つの解決方法だと考えて実践しています。

保育施設・子育て支援施設等で小学生作の食育紙芝居などを演じています。

未来のためにできること

 アインシュタインの「ミツバチがいなくなると人類は4年後に絶滅する」の予言を、子どもたちに、わかりやすく話をするとミツバチが花の蜜を集め、みんなが幸せに暮らす「にこにこ島」の想像画が出来上がりました。そして、庭の花や野菜に水をやり育てるようになりました。 

年長児の描いた「にこにこ島」みんなが幸せな地球になるといいねといいながら描きました。

 ミネラルたっぷりな微生物の力を蓄えた野菜を育てることは、土地もきれいになり、水もきれいになり地球環境にもやさしい循環型の生活が実現します。私たちFFC高知(フーズフォーチルドレン高知)は、現在、高知市内の民間保育園3園、こども園2園において、高知県の13の有機農家が加盟する高知オーガニックと連携して月1回のオーガニック給食の日を実施しており、この輪を高知県内に広げています。また、講習会、ワークショップで紙芝居や実技などで、学ぶ機会の提供と仲間づくりをしています。

月一回のオーガニック給食のメニュー表
手作り紙芝居をさせてもらえると嬉しいです!

問い合わせ先

TEL:090-9777-7070(FFC高知 土居樹林)
FFC高知(フーズフォーチルドレンこうち)支部長
一般社団法人MOMOCO-CREATION 代表理事
You Tubeチャンネル「絵を聴くももちゃんねる」

クラウドファンデングを活用した土佐っこの元気玉打ち上げ

【寄稿】潮江南地域連合会(通称:みなみ連合)野村 ゆかり

 潮江南小学校の校区内にある、町内会、PTA、自主防災組織などの地域団体が協力して、地域コミュニティの強化・充実のために取り組んでいる活動について、高知市立潮江南小学校・元教頭の、野村ゆかりさんに寄稿いただきました。(北川)

地域の活動は「子どもの笑顔のため」に

 潮江南地域連合会(通称:みなみ連合)は、平成27年度潮江南小学校区内に所属している諸団体が地域コミュニティや地域活性化の共通課題を解決するために組織された会です。みなみ連合の会長は、PTA会長経験者であることから、地域団体にPTAを中心とした子育て世代が積極的に意見やアイディアを出すようになりました。

 今回ご紹介する取り組みは、クラウドファンディング(以下CF)を活用した「土佐っこの元気玉」の取り組みです。

きっかけは、PTAや地域の「子どもたちのために花火をあげたい」という一言

 令和2年5月下旬地域の組織がほとんど参加している「夏まつり実行委員会」において、児童や地域住民が楽しみにしている夏祭りの中止が決定。しかし、このコロナ禍であっても、活動を何か別の形にできないか。今だからこそ地域コミュニティでできることを考え、代替行事として「花火をあげたい」と提案するも、他の委員からは積極的な賛成・反対は出ないものの、「有志で実行委員会をつくって、計画を立ててみて、できる見通しが確認できれば反対しない」等という回答。

子どもたちの写真(後列左から2人目が野村さん)
子ども版潮江南地域コミュニティ計画を地域や行政とともに策定

資金調達には、CFを使うことに…。

 しかし、資金だけではなく、想定以上にいくつもの困難なハードルがありました。昨年7月に花火をあげた経験をもつ青年会議所やCFに詳しい人にそのノウハウを聞いたりしながら、手探り状態で準備をスタート。当初は、親しい仲間にも、「無謀すぎる」と言われたことも…。準備をして、実施計画案をもって委員に説明・了承。本格的な実施に向けて、関係機関との交渉や許可申請手続き、HPの立ち上げから運営、ネット環境整備、警備の獲得等に入りました。

これまでの夏祭りの様子。祭りのフィナーレは、ナイアガラの滝の花火が恒例となっています。
夏祭り実行委員会からでた有志による
プロジェクトG事務局(元気玉のG)

最も困難を極めたのは、許可申請

 消防計画・警備計画・CFなど実施に向けた各種契約等は、運営組織の明確性(定款等)を有している組織という規定があったことから「みなみ連合」で行い、有志によるプロジェクトG(元気玉のG)も立ち上がりました。CF開始の1ヶ月前ごろからは、実行委員は毎日のように集まって対応に追われました。これらの困難に粘り強く、何度も足を運びました。

最後の決め手は、信頼関係

 プロジェクトGのメンバーは、これまでのつながりのあるキーパーソンにめぐり合い、助けられたことが大きかった。これまでのPTA活動のネットワークから潮江地域4校PTAに声掛けをして巻き込み、支援の輪は徐々に潮江地域全体、県外の卒業生にまで拡がっていきました。プロジェクトにかかわることで自分事になった活動に個人や団体は結束力の強さを発揮して、人と人とのつながりが実を結んでついに目標額達成。

 これらのことが、自分たちのやりがいにもつながり、つくづく個々のもっているネットワークの総体でこの行事はできたということを痛感しました。

令和3年3月6日(土)20時に、みんなの思いをのせた380発の花火を打ち上げ

 花火が終わった後、「またやりたい」「こんな機会に立ち会わせてもらって嬉しい、ありがたい」「地域の方々とつながりが強くなってやりがいがあった」「周りの人が喜んでくれたことで、苦労が飛んだ」「この経験ができたなら、何でもできる」といった声。

 今後潮江南地域は、コミュニティ計画の策定や創立50周年記念行事と続きますが、みなみ連合の取り組みは、一過性に終わることなく継続して、この熱量で盛り上がって突き進んでいきます。

協賛してくれた方へのお礼のハガキ

問い合わせ先

潮江南地域連合会
〒780-8027高知県高知市高見町248-1
TEL:080-4033-3705
HP:https://usioeminami.jimdosite.com

ホームページ

子ども達の笑顔を作る!ヘアドネーションってなんだろう

 皆さんは『ヘアドネーション』という活動をご存知ですか?
 最近では活動内容を詳しく知らない方でも、その名前を耳にする機会は多いのではないでしょうか。
 今回はヘアドネーションの具体的な活動内容の紹介と、活動を体験した学生にお話を聞きました。

ヘアドネーションとは

 ヘアドネーションとは、小児がんや脱毛症などの病気、または不慮の事故などによって頭髪に悩みを抱えている子ども達に医療用ウィッグを無償で提供する活動です。この取り組みの特徴として、提供されるウィッグに使用される毛髪は一般の方からの支援で集まったものを使用しているという点があります。

寄付の流れ

 実際の支援の一連の流れを紹介していきます。
 まずは美容院に行き、髪をカットしてもらう所から始まります。この時、カットしてもらう髪の長さは31センチ以上と定められています。また、長さが基準に達していればパーマや白髪染めなどをしていても問題はありません。

 その後カットした髪は支援者が持ち帰り、ドナーシートと共に自分で特定のNPO団体へ発送します。送付するドナーシートは団体のホームページから印刷することができます。

学生達の取り組み

 令和3年5月、龍馬学園国際デザイン・ビューティカレッジ美容総合学科に在籍している学生達がヘアドネーションについて研修を行いました。研修の中で学生達は、教員の髪を実際にカットし、その髪の毛を自分達で団体へ送る作業を行うことで活動への理解を深めました。

「本来ゴミになる髪を、人のために役立てることは嬉しい」と語る教員の久川理香先生

学生の声

 今回参加した学生の中から片岡由依ゆいさんと川上彩華あやかさんに話を聞きました。

 そもそも、活動自体は知っていたという二人。しかし二人ともぼんやりとしたイメージはあったものの詳しい活動内容は知らなかったそうで、団体の方からのお話を聞くまでは、髪質などの条件は厳しいものだと思っていたそうです。その中で、ヘアドネーションを積極的に行なっている美容院が少ないと感じた片岡さん、「美容師として就職する際も活動に賛同する美容院で働きたい」といいます。

 川上さんも、「働く美容院にチラシを貼るなどして環境を作っていきたい」ことや、「髪の毛の送料を美容院が負担する」などの意見を語ってくれました。

 最後に、将来自分も支援者として活動に参加したいかとお聞きすると、「もちろん!」と大きくうなずいてくれました。

国際デザイン・ビューティカレッジ
美容総合学科 片岡さん(左) 川上さん(右)

最後に

 ヘアドネーションという活動は近年、若者の間でも浸透し始め、多くの人が支援をするようになりました。そこで、この活動の先には悩みを抱えた子ども達がいること、その子ども達を癒やす立派な医療行為の一部であることを心に、皆さんも支援を行なってみてはいかがでしょうか。

(国際デザイン・ビューティカレッジ 総合研究科 岡崎はるか)

あなたが繋ぎたい命とは・・・

【寄稿】高知県消火栓標識株式会社 山中 祥代さちよ

 普段、何気なく見ている『消火栓標識』。ルーツを辿ると、日本は国土が狭いので消火栓のほとんどが道路の地下に設置されており、消防車が消火栓の位置を早く見つけるため。また、消火栓の近くに駐車されたり、物を置かれたりするのを防止するために標識が建てられているそうです。今回は、高知県消火栓標識株式会社の山中祥代さんに寄稿していただきました。(うらい)

日本で最初の民活方式(1955年発足)

 『消火栓標識』という道路にある赤い標識をご存じでしょうか。この標識が示す消火栓とは、消火活動に必要な水を供給するための設備です。実はその標識、民間のスポンサー企業によって設置をされている標識なのです。消防士や消防団員、自主防災組織が使用するもの、自分達には関与しない、無関係…。そう思われる人は少なくありません。ですが、災害時この標識で一人でも多くの命が助かるとしたら…その命が自分や家族、大切な命だとしたら…それでも無関係と言えるのでしょうか。

突如、地震が起きたら…

 いつ、どこで起こるのか誰も予測出来ないのが天災。不慣れな土地で地震が発生した場合、あなたはどこに避難しますか?高知に訪れた観光客、高知県民でもパニックになるでしょう。

 震災時には、日常生活に於いて必要不可欠となった携帯電話(スマホ)、タブレットなど、電波を発信する通信機は電波障害によって一気にアナログ化してしまいます。その時、何を頼りに避難所へ向かいますか。

防災表示で地域貢献

 高知県の消火栓標識は、消火活動を円滑に行う為の標識だけではなく、その地域の避難所施設、津波到達時間、震度予想などの防災表示を記載しています。災害時のアナログ化された場合でも、目視すれば情報が得られるのです。そして、災害時に関わらず、日常の中で目で見て確認出来る事が、大きな防災力に繋がります。

スポンサー企業の広告面の裏は
・高知県防災マップへのQRコード
・最寄りの避難場所 を掲載

『東日本大震災』を教訓に

 震災の恐ろしさは、一次災害だけではなく、二次災害、そして避難してからの生活においても決して安心安全が保証される訳ではありません。非日常に困惑し言いようのない絶望感に苛まれるでしょう。だからこそ、自分達に今何が出来るのかを日常生活の中で考え、行動に移さなければならないのです。

標識を建てるには

 消火栓標識は、道路上にある消火栓のおおむね5m以内の場所に建てられます。標識を建てて維持管理する費用は、民間のスポンサー企業の広告料でまかなわれています。県民からの認知度がまだまだ低いのが現状ですが、スポンサー企業から社員へ、社員から家族へ、人から人へ、命がある限り繋がっていくのです。一人一人が防災意識の向上を図り、命を繋ぐ為の行動が出来る街になるよう、私たちは走り続けます。

緊急時に分かりやすいように目立つ場所に設置

広告スポンサー企業募集中

〒783-0022高知県南国市小籠1059-3
高知県消火栓標識株式会社
TEL:088-864-3161
直通携帯:080-2972-0852(山中)
mail:shoukasenhyousiki@gmail.com

一人ひとりが自分で判断して命を守る行動がとれるように…

 PR動画

えぬぴぃOh!vol.79(2021年冬号)PDF